私の歴史 NO.7
大手人材会社時代 NO.4
前回の続きですが、新宿の高層ビルの1フロアの3分の1のスペースに立ち上げた巨大なパソコンスクールは、その人材派遣会社のオーナー社長の夢だったそうです。
新宿の高層ビルの中に他に類を見ない巨大なスクールを作り、派遣スタッフの教育や一般のスクール生から派遣スタッフを増やすという２つの狙いがありました。
しかし、そのために膨大な赤字を生むことは計算していたのでしょうか？
おそらく何とか黒字になると思っていたのでしょうが、こればかりは社長の読みが外れました。
どんなに努力しても黒字にはなりませんし、その内にスタッフも疲弊し始めます。
生徒募集のために広告を打てば、また経費が掛かる訳です。
その内に派遣事業部の社員からも「俺たちの稼いだ利益をあのパソコンスクールにみんな使われてしまう。もう辞めたら良いのに。」「何であんな家賃の高いところでパソコンスクールをやらなければならないのか？」という声がひそひそ話し的に聞こえてきました。
私自身もそれは最初から思っていましたが、社長がどうしてもそこでパソコンスクールをやるんだという熱意に何も言えませんでした。
経営的な視点でしっかり計算して考えれば、明らかに無理な事業であることは素人でも分かることです。
そうして2年が過ぎた頃、私は退職を決めました。
私も30代後半になり、もう転職できる年齢の限界年齢になっていたため、これ以上この会社でがんばっても未来は無いと感じました。
何よりも朝9時から夜10時過ぎまでの勤務を続けていたため、体力も限界に来ていました。
社長に連絡して本社の社長室に行き、退職の意向を伝えると社長から「ちょっと待て。もう少し居てもらえないか？君には非常に期待しているのだから」と言われました。そして、そのまま渋谷の高級中華料理店に連れて行かれ、家族にと手土産まで持たされ、「1週間考えてから返事してください」と言われました。
私も社長のその言葉には申し訳ないと思いましたが、自分の1度しかない人生の大切な時間をこれ以上無駄にしたくないとの思いから、1週間後に再度退職の意向を伝えて退職しました。
また、いままで通りに退職前に次の就職先は大手も専門学校グループに決まっていました。