シュロスバーグの理論
キャリアの転機の乗り越え方
アメリカの学者のシュロスバーグのキャリア理論では、転機のタイプには2つあり、1つはイベント型(期待していたことが起きる)、もう1つはノンイベント型(期待していたことが起きない)としています。
イベント型には、就職、転職、失業、引越し、結婚、出産、病気、親族の死などがあります。またノンイベント型には、就職できない、昇進できない、結婚できない、子どもができないなどがあります。
上記のように予期していた転機でも予期していなかった転機でも、それを乗り越えるためには4つの頭文字Sの内的資源を点検することが大切としています。
その4つのSとは
1.Situation(状況)
この状況が起きた原因は何で、何を選択したから生じたのかを見極める。
また、現在の状況は社会的に予測できたか、それとも突然起こったものか。
この状況は一時的なものか永続的なものか。
そして同じような転機は今まで経験したことがあるか。気持ちや状態はどうか。
現在はこの問題以外に抱えているストレスはあるのか。
この状況をどのように捉え、好機として受け止めているのか、危機と受け止めているのか。
2.Self(自己)
仕事に対する考え方(重要性)や地位・給与などへの興味。
家族、趣味、地域など仕事以外の部分とのバランスをどう考えているのか。
この変化に対して立ち向かうのか、受容するのか。
自分に自信があるか、新しいことに挑戦する気持ちがあるか。
人生にどのような意義を持っているか。
3.Support(支援)
必要とする支援を他人、友人、家族から得られるか。
あなたの成功を期待し励ましてくれる人は居るか。
仕事を探す方法、企業や雇用に関する情報収集はできるか。
解雇された時、経済的支援制度の知識や情報提供者は居るか。
重要な情報を提供してくれる人はいるか、そしてその人からの支援を受けられるのか。
経済的な支援は期待できるのか。
4.Strategies(戦略)
職探しや新たな訓練を受けるなどの実行や転機をプラスに考えられているか、ストレスの解消を
図っているかなどの戦略はどうか。
上記の4つのSを点検した上で、下記の3つのシステムの存在があれば転機は乗り越えられると言っています。
3つのシステムとは
1.キャリア転換を支援する公的機関(ハローワークなど)や民間団体(人材会社など)
2.転機を乗り越えるための経済的資源や物理的条件の存在
3.転機を支援し支えてくれる人々や人間関係の存在
上記のように仕事をしていると多かれ少なかれ必ず転機が来ます。
例えば「同期が先に昇進した」「急に部署が異動になり慣れない仕事になった」「転勤で自分の希望しないところに行くことになった」「会社が他の会社に買収された」など。
このような時にどう受け止めるかで人生が大きく変わることもあります。
転職するのか会社に残るのかの選択をする時に4Sを考えてみて、その上で判断することが良いでしょう。